不定期連載

(気が向いた時とも言う(^-^;)


群馬支部練習日記

2001/12/22(晴れ)浜川運動公園
参加者()内は新しくやったこと、名前の順は練習に来た順

森田(揺身法)
松本(七手、獅子揺頭)
関口(七手、獅子揺頭)
小山(揺身法、獅子揺頭)
山岸(揺身法、七手、獅子揺頭)

本日も、上州名物「からっ風」。
揺臂法、揺腕法、開合、悠帯、揺腰法、揺身法とさくさく進める。
撒網式。足は弓歩。弓歩の転換の時、一瞬四六歩を意識すると良い。腕は山なりに振る。
捜掌、挑掌、磨手、伸肩法。五行掌(摔、拍、鑽)ミット打ちの後、活歩で穿劈、三合炮。ちなみに通背門では活歩のことは「行状」と言い、定歩は「站状」と言う。
少し休憩し、対練。今日は流し対練(ひろぽん命名)。三合炮、転換掌・拍・鑽(七手後半)、七手、獅子揺頭(花撃炮)。
獅子揺頭は、外へひねる滾手。受けにも攻撃(打撃)にも使う。村松師兄は、フロントネックチョークにつなげられると言っていたが、確かに行けそうな技だ。
今日は散手(自由組手)を重点的にやりたかったので、対練は早々と切り上げた。
先ずは、先週と同じ要領で、受けと攻めを決めて、流れの中で一本入れるまでをやって、次ぎに受け側もスキがあれば攻撃しても良いし、反撃も可に移行。それを初心者と上級者のペアでしばらく行った。初心者の場合は、何をやったら良いのかわからない、という感じかもしれないが、とにかく習った技をいろいろ出してもらいたい。上級者はいろいろとテーマを決めて、「試す」ことをしたら良いと思う。実力が拮抗している、若しくは相手の方が強くて、「試す」なんてできない技も初心者相手なら、試すことも可能だから。
これを相手をいろいろ取り替えて、50分近くやった。寒い公園だが、皆かなり汗をかいた模様。かなりの運動量。
ボクは、関口くん、山岸くん、松本くんとやったかな。まるっきり経験のない山岸くんには少々難しかったかもしれないが、まぁ技は出てきた。関口くんは空手の組手経験があるので、組手自体には慣れてはいるのだろうけど、通背の技にはまだあまり慣れていないので、ちょっとぎこちないかな。松本くんはいろいろ出してくるけど、やっぱり少し遠慮しすぎ。自分の先輩とやる時は遠慮無用!
最後に擒拿をやって、整理体操、養身功で、終了。
来週は、今年最後の練習。八極拳研究会のばいおさんと師弟、拳魔くんが参加することになっている。練習後は忘年会。関係者の人々、よろしく!!

竹影清風 わたる/新井 亘 2001.12.25

2001/12/15(晴れ)浜川運動公園
参加者()内は新しくやったこと、名前の順は練習に来た順

松本(幇手)
関口(幇手)
片山
山岸(幇手)

天気は良いが、上州名物「からっ風」が吹いていて、体感温度はかなり低い。そんな訳で公園は我々の貸し切り状態。
動いていないと寒いので、いつものように基本功からさっさと始める。揺臂法、揺腕法、開合、悠帯。
悠帯は、なるべく肘が頭の後ろに行くように腕を振上げ、これ以上ダメっ!ってところで肘から先を折って、背中を叩く。
片手でやっても両手交互にやっても良いが、両手交互の方が時間が短くて良いような気がする。
揺腰法。立ち方は馬歩。少し前傾し身体を左右に回し、腕を自然に身体にまとわりつかせる。上になる腕は首から肩、下になる手は脇腹に当たる。ビタンと手が当たることによって、少し排打功的意味がある。踵は浮かさず、顔は斜め後ろを見る。踵を上げ、顔は正面という人もいるが、うちではそうしない。
五行掌を移動しながらの練習を終えた所で小休止。汗はかいてるけど、風が強いので直ぐに冷えてくる。
対練タイム。うちのノーマル三合炮(摔拍鑽)を終え、次は、拍鑽の王耀亭三合炮。引手から補手拍、すかさず鑽。そして逆の引手になり、さらに拍鑽。補手をなるべく押すようにして、相手の身体のそばに残すと次の鑽拳がとても早くなり、受けとしてはイヤな技だ。受ける方は、拍は架手か穿、鑽は逆の幇手。幇手は揺腰法の技の意味。肘を落として腕を少し曲げ、手首も曲げて手を少し斜めにし、相手の中段攻撃を横へ払う。狙うのは相手の肘。しかし、気をつけないとそれほど力を入れていないつもりでも、相手の肘に結構負荷がかかる。師父は于少亭師爺にこの技で肘を折られている。ちなみに、その時の師父の感想は「わたし、その時、嬉しい思いました。」。自分の先生が本当にスゴイ!と思ったのか、ここまで真剣に教えてくれていると思ったのか。話しはそれるが、于少亭師爺かなりの偏屈オヤジだったようで、弟子はいろいろと苦労したらしい。昨年、師兄弟の劉延善老師をお招きした時も、師父とその辺りの昔話をいろいろとしていた。「遠いところ、于老師の家に練習に行っても、老師の機嫌が悪ければ、何も教えてもらえず、帰らされた」とか「お土産にタバコを持っていったが、その銘柄が気に入らなかったのか、目の前で捨てられた」とか。これだけ聞くと「なんてイヤなヤツっ!」って感じだけど、師父が結婚する時、お金がなくて困っていたら「これで式を挙げろ」と200元をくれたそうだ。当時の200元と言ったら、一般の労働者の何ヶ月分かの給料に相当するハズ。それを聞いた劉老師は「あのケチな于少亭が!」と、とても驚いていた。それほど常松師父は于師爺に可愛がられていたのだ。
王耀亭三合炮で使うのは、この幇手の逆の使い方。通常右手で幇手する時は、右から相手の左手を払うが、逆の時は、右手で相手の右手を左から払う。状況に応じて使分ける。
松本くんはそろそろ散手(自由組手)をしても良い頃なので、少しずつ始めている。散手をどのくらいから始めたら良いかはいろいろな考えがあるだろうが、ボクとしてはまぁ割と早い時期から少しずつやっていって良いんじゃないかと思っている。松本くんは通背を始めて半年くらい。初めは上級者に手加減をしてもらいつつ、いろいろと技を試して行く感じ。素手素面のライトコンタクト。いつもは特に制限をしないで、自由にやってもらってるが、今日は、先日の講習会で村松師兄から教わったやり方を少し試す。まず、攻めと受けを決め、攻めは一発と制限する。一発と言っても構えから摔出して終わりとか言うんじゃなくて、決め技を一つということ。それを決めるまでのフェイントなどは数えない。流れの中で最終的に一つ決めるまでだ。それをしばらくやったら、少々やり方を変える。攻めと受けは一応決め、一発というのも同じだが、もし、攻め側にスキがあれば、受けが攻撃して構わない。攻撃された後の反撃(返し技)もOK。これだと攻める方にも緊張感が出る。片山相手にやってもらったが、まだ松本くんは人を殴ることに慣れていないのか、少々遠慮がち。攻撃が相手に届かないことが多い。自分で思っている以上に近くに寄らないと攻撃は当たらない、当たらない攻撃は全然怖くない、少しくらい強く打っても人は大丈夫、と話す。さらに、またまた村松師兄から以前言われたこと「散手もはじめは相手を倒すではなく、自分の技術を試すため相手が動いてくれる、相手が捌いてくれる、隙あらば攻撃してくれる、というサンドバックよりありがたい存在として相手に感謝する。そういった信頼関係が必要で、それによって恐怖心を無くしていく。」を話す。
山岸くん、関口くん(近々結婚する予定。奥方の父上に会いに行くため、無精ひげを剃ってしまったので、戒律の厳しい寺の修行僧のような風貌になってしまった。結婚後も練習を許可してください>奥様)は、まだ散手は早そうなので別メニュー。関口くんは空手の有段者で組手経験もあるので散手はできるだろう。しかし、まだ通背拳の動きが身についていないので、今散手をやれば、空手の動きになってしまいそうなので、もうしばらくはガマンしてもらうつもり。いずれは、通背も空手も関係なく、好きな技を使えば良いと思う。二人は、先週やった蹴りの受けをやって、その後は、秘宗拳の摔法をやってもらった。
最後は套路を少し。片山は三十六手の復習。だが、後半忘れ過ぎ。練習しておけ。松本くんは小虎燕の順番は憶えたようなので、緩急を考えて練習して欲しい。早くするとこ、ゆっくりするとこ、停めるとこ、技の意味をよく考えて。

竹影清風 わたる/新井 亘 2001.12.17


2001/12/8(晴れ)浜川運動公園
参加者()内は新しくやったこと、名前の順は練習に来た順

松本(揺身法、滾手)
関口(揺身法、滾手、各種蹴りの受け)
片山(揺身法)
斉田(揺身法、滾手)
中田(滾手、小虎燕)
山岸(滾手)

そろそろ寒くなってきたが、天気が良いこともあって、ちょっと体を動かせば、直ぐに汗ばむ。
本日から基本功に新たなメニューを追加。先日の講習会で村松師兄からその重要性を教わってきたものだ。この基本功、以前町田支部で張安福師兄に初めてあった時に指導を受けていたのだが、その時はそれほど重要なものとは思えなかったので、やっていなかっただけなのだが(^-^;
それが今回、村松師兄に新たに説明を受け、「こっこれはぁぁぁっっ!!!!」と衝撃を受けたのだ(当時のボクには猫に小判だったわけだ)。文章で説明するのは難しいが一応トライ!
両足を揃えて立ち、両手を下から背中に向けて振上げながら少し前傾する(つま先立ちになり背中を丸め、前に倒れてしまうくらい)。
その状態からストンとしゃがみ両手は胸を抱くようにし、そこから腕を上に振り上げながら立ち上がる。
この時、足から指先まで鞭が波打つようにウェーブを起こす。手は最終的には頭の上を通って背中を打つ。
横から見ると力が順番に伝わっていくのがよくわかる。(よくわかんないけど、気になる!って人は会った時にでも聞いて)
ほとんど全ての技に通じる力の出し方を養成する基本功だと思う。名前は張師兄に聞かなかったのでわかんないんだけど、とりあえず「揺身法」と仮称する。
基本功が終わったら、五行掌単式。その後、活歩で劈、穿劈、三合炮を行う。
小休止して、対練タイム。今日は受け技をいろいろやろうと思っていた。最初は蹴りの受け。今回行ったのは、学生時代に太気拳の友人に教わったもの。シンプルだが非常に使いやすい。
先ずは腹部辺りを狙ってくる前蹴り。両手をクッションのようにして、相手の蹴りの威力を吸収して、柔らかく受ける。慣れてきたら片手で受けたり、後ろに流したり、受けて直ぐ攻撃に転じたり、右左、左右と連続の蹴りを受けたりもする。
次は腕の外側を蹴りに差し込み、滑らせるように受ける受け方。前に出ながら受けると受けやすい。
あとは回し蹴り(ハイキック)の受け。基本的には最初にやった両手をクッションのように使う受け方で、それを横方向に使う。理想としては受けた後、相手の蹴り足を肘に乗せ、少し押しながら上げてやると相手は体制を崩しやすい。
それからローキック。出鼻を捉えて、膝を押さえつつ、胸を打つか、前足を上げて受ける。どうしても当たってしまうような時は、ビビッて腿の裏とかに当たるとダメージもでかいので、覚悟を決め、膝を踏ん張って腿前面横で受ける。脚を引ければ引く。
低い蹴りには、斧刃脚で出鼻をくじく。等々。
とりあえず、慣れないと話しにならないので、しばらくこれらを行う。ただハイキックとかだと蹴るほうが身体が硬くてうまく蹴れない、なんてことも(^-^;
ボクは昔は蹴りをよく使っていたのだが、太気の友人が蹴りの捌きがうまくて、蹴れば必ず自分が不利になった。ボクごときの蹴りでは、蹴りの処理が上手い人には通用しないことがよ~くわかったので、それ以来蹴りはあまり使わなくなった。出したとしても、斧刃脚か前蹴り程度。散手(自由組手の)で相手(蹴りをよく練習してる人)が蹴ってくると、自分は普段はあまり蹴りをやらないような人でも蹴りで対抗する(蹴りを蹴りで受けるのではなく、攻撃としての蹴りを出すという意味)場面を何度か眼にしたことがあるが、墓穴を掘るだけのような気がする。自分が蹴りを使わなくても、その処理はできるように準備しておいたほうが良いと思う。
次ぎ、滾手。「滾」は「ころがす」という意味。腕を捻って、相手の攻撃をころがすようにして受ける受け方。外回しも内回しもあるが、先ずは内回し(腕の内側を身体に向けるように捻る)。胸から顔の高さくらいの突きに使う。相手の突きの外側に避けつつ、滾手で流す。その後はいろいろなバリエーションがある。摔を上や下に打ったり、滾手してない方の手で脇腹を突いたり。一番良く練習するのは滾手した手を下に回し、そのまま相手の腕を制して、相手の体制を崩す方法。この時、常に相手の腕に圧力をかけていないと簡単に顔面を打たれてしまうので注意。
通背拳では相手の攻撃を上下左右中の五つに分類して、それぞれについて受け方を憶える。これを「五護」と言う。まぁ、実際には単純に五つには分けきれないで複数の要素が絡み合うこともあるが。ちなみに、上→穿(架)、下→截(劈)、左→掩(架)、右→滾(架)、中→縮。縮ってのは、腹を引いてヒットポイントをずらすこと。上下左右中は、高低里外中(里は内ってこと)と言い換えることもできる。正直言って、ボク的には、左右の別、掩滾は、わかったようなわからないようなだが(^-^;掩手と滾手は受け技としては難しい部類だと思う。そんな訳で滾手に少し多めに時間を割いて練習し、対練タイムは終わり。
次ぎ、套路。秘宗拳の小虎燕。中田さんは初めてだったので、いろいろと質問を受けた。その中で螳螂拳にも同名の套路があることを話したら、いつか螳螂拳もやってみたいと言う。それを聞いて、小虎燕は二起脚、旋風脚、掃腿などの割と蹴りが苦手な人にはキツイ技が出てくるので、そういう人には、代わりに螳螂拳の崩歩拳でも良いかなと思った。

竹影清風 わたる/新井 亘 2001.11.29