不定期連載

(気が向いた時とも言う(^-^;)


群馬支部練習日記

2001/11/24(晴れ)浜川運動公園
参加者()内は新しくやったこと
森田
関口(穿劈、穿掌外点手、蛇形歩)
山岸(tuo歩、穿掌外点手)
松本(穿掌外点手転換掌)

不定期連載ということで適当に流そうと思っていたが、意外に好反応であったため本日も書く。
本日は所用(Zくん車検)で、午後1時からの練習。いつもと違ってキッズ連れのファミリーや「おらおらぁ、こんなとこでいちゃつくんじゃねぇよ」的かっぽぉ(注:カップルのこと)が多い。いつも我々が練習している広い場所はキッズに占領されていたので、人の少なそうなところに移動する。とは言え、まるっきり人のいないところはなく、そばではおらおらぁ~的かっぽぉやキッズがシートひろげて弁当を食べていたりする。まぁ、みんなの公園なので、他人に迷惑をかけなければ、弁当食べてても、いちゃいちゃしてても、通背拳やってても構わないでしょう。

森田さんは仕事が忙しかったりで久々の練習。群馬支部は今のところ、ボクを含めて総勢10名だが、全員がそろうことはなかなかない。
いつものように基本功からスタート。前回は揺臂法前揺(11/17分では後揺と書いたが誤り。本当は前揺。10数年勘違いしてました(^-^;)の説明をしたので、今日は後揺。後揺は技としては肘を伸ばして行う劈掌。正しくリラックスして行えれば、(劈として)そこそこ威力が出る。へんに強く打とうとかしてどこかに余分な力が入ると回す円が崩れて逆に力が出なくなる。劈は慣れたら、肘を曲げた状態(予備動作が小さい)から打つよう練習するが、それは肘を伸ばした劈でちゃんと威力が出るようになってからの話し。劈が苦手な人は後揺をたくさんやりましょう。揺臂法を単手で行うとき、順歩でやるか?、拗歩でやるか?一番良いのは両方やることだが、ボクの場合、通常は拗歩のみ。やりやすいからかな?でも本来ならやりにくい方をやるべきな気がする..。揺臂法双手。単手の時はそれほど感じないかもしれないけど、双手の時は腰(中国腰)で回すというのが実感できるハズ。本やビデオだと「頭上で両手をパチンと打ち合わせる」とあるが、ボクは未だかつて師父からそう言われたことがない。逆に、腕は耳に付く位真っ直ぐ伸ばし、両手が交わらないように平行にする、とは言われたことがある。そして正面から見た時、腕が左右にあまり広がらない方が良いとも注意された。足と手の関係は、右足前で行う場合、右手が後揺(上から下)、左手が前揺(下から上)。組み合わせとしては逆もあるけど、ほとんどやらない。
揺臂法の後は、揺腕法。大抵は他の基本功の合間にちょちょいと各自でやってることが多いが、群馬支部では揺腕法の時間をとってやる。余談ではあるが、師父が表演をする時、大抵直前に揺腕法と手をグーパー、グーパーしてから始める。
次は、開合。腕にばっかり意識がいっちゃう人もいるけど、その名の通り「開」と「合」を意識しないと。ナニを「開合」するか?答えは「胸」だと思う。胸を開く、閉じる。逆に見れば、背中とも言えるかもしれないな、と今書きながら思った>閉じる、開く 腕はなるべく肩の高さくらいを保つように。身体の両脇、脇の高さくらいにロープか何かが張ってあって、ロープの上にある腕をロープに触れさせずに行うイメージ。とは言え、後ろを打つ時は、少し手が下がっちゃうけどね(^-^;ただ、気をつけないといけないのが、その一番下がった高さで繰り返し行っちゃう事。それだとあまり効果ない。
この後、悠帯、揺腰法、撒網式、捜掌、挑掌、磨手、伸肩法(悠帯以降の詳しい説明は次回)。
伸肩法は各自のペースで自由に少し時間を掛けて行う。ゆっくり練るも良し。少し早めにスイスイやるも良し。基本的には、圧、推(伸)、滾、落の四つの力を意識して行うが、ボクが最近意識してるのは、力を手先に送るイメージ。身体の各部位が自動車の玉突き衝突を繰り返して最終的に指先に力が届くような感じ(わかるかな?)。これは特に誰かに指導されたという訳ではないけど、張安福師兄の伸肩法を見ていて思ったこと。伸肩法の練習時のイメージで兄弟子から、言われたことがあるのは「手を前に出す時は、指先と腰がゴムで繋がっていて、それをだんだん伸ばすイメージ。引くときは、指先と前方にある何か(壁でも、木でも)がゴムで繋がっていて、それを引っ張るイメージ」。このイメージで行うと粘っこい感じの伸肩法になる。正に練り上げるという感じ。
今日は散手(対練)を多くやりたかったので、圧腿、踢腿はなしで、五行掌単式。劈は通常の劈のほか、歩きながらの穿劈を行う。拗歩引手から半歩回り込み穿、一歩出て劈。最初は肘を伸ばしての劈で良いが、慣れたら、穿を出したら反対側の手は架手にして、そこから劈を行う。けど、肘を伸ばした劈で威力が出ないうちは、やらないほうが良いでしょう。
ここで少し休憩して、散手(対練)。先ずは定歩三合炮。慣れるに従い気をつける点はたくさん出てくるが、引手補手摔掌落手拍掌(落手)鑽拳
。動作としては1摔2拍3鑽だが、鑽のあとに4引手を入れ、1234でワンセットと思えと指導している。鑽打った後、気を抜いてると摔とか喰らっちゃうから。4引手は摔気味。最初は動作が途切れないで流れるように注意して欲しい。

三合炮の注意点をいくつか(他にもあるよ)
補手と摔は同時(相手に考える時間を与えない)
摔を打つ時、引手の位置から手を引かない(より速い攻撃)
補手はなるべく相手の手にくっつけておく(相手の手を制御する)
相手が手を引いてしまっても補手を引っ込めないでおく(次の拍を早く当てることができる)
摔を打った後、相手が受けようが受けまいが落手にする(防御)
拍は落手と同時に打つ(より速い攻撃、相手を引き込む)
落手は相手の身体のそばに残す(次の鑽拳を早く当てる)

相手を変え、左右行い、次ぎに活歩三合炮。拗歩引手から二セットずつ(左右行うことになる)。うまい人の活歩は移動距離が大きい(拖歩と激歩を使う)。拖は日本語にない漢字。引っ張るとか引きずるとかいう意味。拖歩は、普段の自分の歩幅以上に前進する足を進め、その分後ろ足をひきつける歩法。激歩は、拖歩に似てる。拖歩の後ろ足を激しく踏み込む感じ。三合炮で拍を高く(独立歩)やった後、急激に姿勢を落としつつ、大きく歩を進めズンとやるのが激歩。
次ぎ、拗歩引手から穿劈。少し回り込むように(閃展歩)して穿劈。穿はキチンと顔を狙って行く。回り込み度合いも、近すぎず遠すぎず、丁度良いところに。
最後に、穿掌外点手転換掌、初心者は穿掌外点手。順歩引手から、蛇形歩を使って穿。蛇形歩は一般に言う三才歩。前足を斜め前方に出し、後ろ足を相手に向かって一歩進める。三角に出る感じ、でわかるかな?左右繰り返すとジグザグに進み、蛇がクネクネ進むのに似てるので蛇形歩と言う。穿は顔を狙う。そこからさらに一歩進め、穿を相手の顔のそばに残したまま外点手。もし、相手が穿を受けた手で点手を受ければ、そこからすかさず拍に行くこともできる。反対の手で点手を受けたなら、穿で触れてる相手の手を落手で落とすと同時に転換掌。点手で低く入って、転換掌の時は立ち上がる力を使って打つ。(う~む、わかりずらい説明だ(^-^;)
最後に套路。森田さんは三十六手、その他の若人は秘宗拳の小擭掩(小虎燕)。うちでは初心者には小擭掩をやってもらうことにしている。いろいろな基礎を作るのに便利だから。

竹影清風 わたる/新井 亘 2001.11.29


2001/11/17(晴れ)浜川運動公園
参加者()内は新しくやったこと
関口(活歩三合炮、撃歩)
山岸
小山(伸肩法の斜め移動)
反町 一日体験
片山
松本(撃歩)
先週は雨のため新井邸でビデオ学習だったが、本日はちょい暖かめの練習日和。
公園に着くと関口くんと山岸くんが身体を動かしている。
関口くんは最近入会した新人。見た目肉体労働系の男だが、実はデザイナーだそうだ。人は見かけに寄らないものだ、とつくづく思う。伝統空手を長らくやっていて、全国大会入賞(型、組手とも)の経験を持つ。こちらは見かけから、頷けるが。
松本くんから「仕事で遅れますが、なるべく急いで行きます!」とTELが入る。彼は練習熱心な男。ほとんど練習を休んだことがないハズ。日曜の朝練(8時半~)にもよく来ていた(今は日曜はやってない)。秘宗拳学習希望だが、通背拳もやってもらっている。
はるばる玉村からチャリでやって来たのが、反町くん。先週雨の中、やはりチャリで見学に来たのだが、ビデオ学習のみで終わってしまったので、本日出直してもらったのだ。玉村から高崎までのチャリはハッキリ言ってキツイ。ボクだったら、考えもしないことだ。
小山は、師弟。一時は新宿、蒲田にも顔を出していた。こいつは時々しばらく休んで忘れた頃ひょっこり顔を出す。通背の他にも、不二流躰術、八極拳などいろいろかじっているが、どれが本門と決めきれないでいるような。まぁ、熱心と言えば熱心かも。
10時を過ぎたので練習スタート。先ずは揺臂法。単手後揺から。
一日体験者反町くんには立ち方から指導。
先ず、虚歩(しゅーぶぅ)。一本線を引いて、その線上に後ろ足の踵を置き、足先を45度の角度で開くように する。後ろ足の踵から自分の足二つ分の距離をとり、そこに前足の踵を置く。爪先を線上に置くが足を真っ直ぐではなく、少し爪先を内側に向ける。膝を内側に絞ることにより、金的への攻撃を多少なりとも入りにくくするためだ。体重は前足に三分、後ろ足に七分載せる。初心者は四分六分でも可。一般の虚歩は前足の踵を浮かすがうちでは踵は浮かさない。靴を履いてはいるが、足の指で地面を掴むようにして立つ。前後の足幅を自分の足二つ分で指導しているが、これは師父は普通言わない。ボクの経験によるものだ。先生によっては、前足の踵と後ろ足の踵まで拳三つ分とか四つ分とか言う人もいるが、うちは割と広め。師父が秘宗拳出身だからかもしれない。一般的に大連の通背の多くは歩幅がせまい。
それから、舌先を上顎前歯の付け根に軽く付け、口を閉じ鼻で呼吸することを注意する。これは、誤ってベロを噛まないという意味と上顎と下顎で途切れる経絡を繋ぐ意味もあるそうだ。あとは身体をリラックスさせる。 揺臂法は腕をグルグル回す練習。初めてやる人の多くは、肩の力で回してしまうが、それは誤り。直ぐに肩が痛くなってしまい、何十回も続けることができない(ちなみに群馬支部では通常100回単位で行う)。腰の回転と脚のバネを使う(脚のバネを使うなという人もいるが)。これができるようになると数百回連続でやっても肩は痛くならない。肩の柔らかさを養うと共に、脚腰の力を手に伝えることも学ぶのだ(と思う)。
後揺は実際の技では、撩陰掌の意味を持つ。
説明が長くなったので、他のはいつか機会があれば、ということで割愛。
この後、単手前揺、双手、揺腕法、開合、悠帯、揺腰法、撒網式と行い、活歩で捜掌、挑掌、磨手、伸肩法と進む。揺腕法は通常の横、縦の他に少林門の川口くんから教わった両手を胸前でグルグル(反対グルグルも)も行う。これはかなり良い手首の練習方法だと思う。それから活歩の捜掌、挑掌、磨手は50m位の距離を往復して行う。基本的に活歩で行えるものは、慣れたら活歩で行うのが良いと思っているので。いくら手が早くても相手に届かなければ意味がない訳で、それを可能にするのはやはり脚(歩法)。常に歩きながら技を出す習慣をつけるためにも活歩は大事。これは五行掌その他にも言えること。
伸肩法は、最初は前進、そして、後退、その後、斜めへの移動。それができるようになったら、それらを組み合わせ自由に動き回りながら行う。
ここらで片山がチャリで遅れて来る。片山も割と遠くからチャリで来る。以前は車だったが、経済的問題からチャリに変えたそうだ。その割りには高いチャリ(プジョーだったか)を買ったが。
次は圧腿、公園外れのフェンスに移動。側圧腿と正圧腿。脚の柔軟も大事。それが終わったら、踢腿。
正、斜、側、擺蓮、里合、分脚、蹬脚、斧刃脚、二起脚、旋風脚、騰空擺蓮、側転。
圧腿、踢腿やると通背もうまくなると思う。特に、下半身が安定する。
ここで小休止。下が芝生だと寝転がれるので、気持ちが良い。
片山が一日体験反町くんに話しかける。以前来ていた中学生と間違えたようだ。「彼は一日体験だよ」と言うと間違いに気づいて照れ笑い。しかし、しばらく見て「もしかして反町くん?」。「なんで知ってるんだよぉ」と聞くと、「馬庭念流」に見学に来たことがあるそうな>反町くん 片山は念流の道場にも通っている。聞けば、県内近郊の武術道場をチャリで訪ね歩いているとか。大間々(大東流)までチャリで行ったと聞き、またびっくり(30~40kmある)。反町くん凄すぎ。そこまで熱心なんだから、自分にあった道場を見つけられると良いなと思う。玉村の知り合いの道場(通備門)も紹介してあげた。
さて休憩タイムも終わり、五行掌単式。久々にビデオを持ってきたので、一人一人録る。はミット打ちも行う。摔、拍などに比べて劈がみんなイマイチ。腕を伸ばした劈は、揺臂法単手前揺のつもりでやれば、比較的簡単にうまく威力が出せると思うが、強く早く打とうとするためか、みんな肩もしくは腕の力で打ってしまって、力が途中で途切れている感じ。片山を手本に説明する。身体全体をしならせスパーンと打ってもらいたい。特に背中。劈は背中で打つのだ。それから劈がイマイチなので挑もダメ。わざわざ腕を持ち上げている感じになってしまう。劈が上手くできれば挑もスパーンと決まるハズ。例えて言うなら、投げたボールが壁にぶつかって跳ね返ってくるような感じ。
そして、散手(対練)。先ずは三合炮。定歩は、まぁできるようになったので活歩。活歩はいろいろなやり方があるが、一番簡単な拗歩引手から摔で半歩出て、拍で膝上げ、その足を下ろしながら鑽。手はある程度早くても、それに足を合わせるのはなかなか難しいもの(足のが遅いから)。初めはゆっくりでも良いから、手と足のタイミングを合わせるようにする。それもある程度できる人は鑽拳の時、少し多めに歩を進め、後ろ足を強く踏みつけるように引きつけるやり方を教える(撃歩)。鑽拳の距離が伸びる上に威力もあがる お得な歩法。関口くんは初めて一ヶ月というところだが、下半身がとても安定している。流石は空手を長くやっていただけのことはある。撃歩ができそうだったので指導する。
今日は前半、ビデオ撮りをしたりして時間がかかったので、対練は三合炮のみ。最後に一列に並んで、号令に合わせて活歩三合炮。輪になって整理体操、そして養身功、台頭望月をやって本日の練習終了。
反町くんに、「何か質問ある?」と聞くと
「通背拳には発勁はあるんですか?」(ありがち(^-^;)
「君は発勁ってどんなものだと思ってるの?」
「打つと身体の内部に力が浸透するような・・」
「それは発勁の一種だね。それだけが発勁ではないけど。」
「はぁ」
「『拳児』とか読んだことあるの?」
「ないです」
「日本で発勁というと神秘的なものと思われている場合が多いけど、中国語で発勁は『勁を出す』だよ。勁は力。正しい方法で打ち出されたものはみんな『発勁』さ。例えば、今日、君に摔を教えたけど、その摔を行って、打ち出されたものは『発勁』だよ。ただ君の摔とボクの摔は同じではない。ボクは十数年練習をしているからね。発勁は出来る出来ないを論じるのではなく、その威力が大きいか小さいか、それが巧いか稚拙かなどを論じる類のものだよ。そう言う意味で言えば、通背拳には発勁はあるよ。こんな答えで良い?」
「はい。わかりました。」
「じゃあ、君を打ってあげるよ」
「えっ」
「思いっきりは打たないから平気」
と言って、一発目は縦拳で腹を打ち、二発目は透骨拳で腹を角度を変えて打つ。
「同じくらいの力で打ったつもりだけど、二発目のが効いたろ?」
「はい」
「二発目は角度を変えたからね(握り方も変えた)。ちょっとしたことでも効き方は変わるんだよ」
「はい」
「こんなところかな。他にある?」
「う~ん、特にないです。」

ついでに以前、某所で書いたものを。

「勁と気と呼吸」
(これが全て、これこそが正しいというものではないので、参考程度に(^-^;)

先ず「勁」(師父はあまり「勁」とは言いません。「心聚力」と言っています。意味するところは同じだと思います。)ですが、『正しい動作から導き出される「チカラ」』だと思っています。ですから「発勁」は(正しい動作、方法を知っていれば)「できる」「できない」ではなく、功夫の度合いによって、「巧」「拙」、或いは、その威力が「大」「小」という類のものだと思ってます。

通背拳は、足腰から発生したチカラを、背、肩を通し(このあたりが門派の名称「通背」に関係してます)、主要な攻撃部位である手へ伝えます。この時、チカラの伝わり方は、鞭のように波打つ感じです(招法にもよりますが..)。(開合、纏絲、etc..も併用しますが)

次ぎに「気」です。
「気感」は武術を練習するようになって(何時からかは定かではありませんが)からはありました。伸肩法などをした時に感じる、指先がしびれるような、腫れるような感覚です。しかし、これは自分以外の人に「ある」と証明はできません。自分で感じているような気がしているだけかもしれません。

微妙な感覚ですので、ゆっくりとした動作(伸肩法、明堂功など)でないとよくはわかりません。

ボク自身としては、掌、指先に「気」のようなものを感じることはできますが、これが丹田で発生した気が移動してきているのかは、よくわかりません。「先ず丹田に気を集めて、それを順繰りに手まで移動して」と意識しないで、「いきなり手に感じる(集める)」として、「移動」というのをあまり考えてないのがいけないのかもしれません。

また、ボクが感じている「気」が攻撃にどのような影響を与えている(威力を増すとか)かもよくわかりません。

通背拳だと物理的速度の速い連打系の攻撃が多いので、その全てに「気」を結びつけるのは難しいように感じます。「虚実」の「実」の時とかに合わせるようにするとか..。

通背拳以外で「気」に関してですが、1991年、河南省へ武術交流に行った時、厳広財師伯(秘宗門)の紹介で于憲華老師から「金剛力功」という気功の指導を受けました。練習の大半は、下丹田を意識しながらの站椿(軽く膝を曲げた姿勢で、1回1時間弱を午前2回、午後2回)でした。

その站椿の練習が進んだある日、「気を出す」練習をしました。手を軽く握って中指の第一関節(手の甲側)のあたりから、反対の掌に向かって「気」を出す練習です。ボクはこの練習を自分自身で行う時、受ける掌には、なにも感じなかったのですが、常松師父にやってもらったところはっきりと「なにか」を感じました。師父の手の通りに「ピリピリ」としたモノが動いたのを感じたのです。他人の「気」を感じたのは、これがはじめてでした。

あとは、下丹田を打ってもらう練習(気がたまっていると耐えられる)や掌での煉瓦割り(2~3枚重ねて。但し中国の煉瓦はそんなに硬くないです(^-^;)頭での煉瓦割りなども行いましたが、「気」が影響していたかはわかりません。

金剛力功の初期の練習では、「下丹田」に意識を集中し「気」を集めます。それが感じられるようになったら、その「気」を「中丹田」に上げ、さらに「上丹田」に上げる練習も行うそうです。于憲華老師は「瞬時に意図した場所に移動する」事も修練により可能と言ってました。

最後に「呼吸」について(連打の時の)
大前提は「打つ時に吐く」です。そして、「自然に」とよく言われます。ボクの場合、三発連打するとしたら、呼吸は「三発目に吐く(1~2発はとめて)か「ふっふっふっ(短く吸う吐く×3)」だと思います。 連打と一口に言っても虚実、タイミングはさまざまですので、その時々によって呼吸はいろいろだと思います。

                             2001.11.18 竹影清風 わたる/新井 亘